こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
リテールメディアは米国で10億ドルの業界からわずか5年で300億ドルの業界に急成長しました。この成長を検索、ソーシャルに次ぐサードウェーブと呼んでいます。
今回は、eMarketerからの引用記事です。
📣この記事でわかること
リテールメディアはサードウェーブ
リテールメディアの特長をおさらい
次のリテールメディア=コマースメディアを狙う3つの業界(その2)
それでは本編スタートです。
リテールメディアはサードウェーブ
2023年10月の予測によれば、米国のオムニチャネルリテールメディア広告支出は今年599億8000万ドルに達する見込みです。
オムニチャネルとは、ひとつのデバイスや広告フォーマットに依存しない、複合的なチャネルへの配信方法を指します。
例えば、webだけ、PCだけ、バナーだけというわけでなく、アプリ、CTV、動画も含めたマルチデバイス、マルチフォーマットそして、リテールメディア文脈ではオンサイト、オフサイトへの配信も含まれます。
上記の図のように、これまでインターネット広告におけるファーストウェーブは検索広告(日本でいう検索連動型広告)が14年かけて300億ドルに達しました。
これに次ぐセカンドウェーブがソーシャル広告です。この広告が300億ドルに達するのにかかった時間が11年。
リテールメディアは同規模に達するのにわずか5年というスピードで達成しました。これがリテールメディアがサードウェーブと呼ばれる所以です。
このようにリテールメディアへの広告支出が集中し始めているわけですが、次のリテールメディアを狙う業界があります。
リテールメディアの特長をおさらい
そもそもリテールメディアは、本業である物販ビジネスと広告ビジネスを融合したビジネスモデルです。
特長としては下記が言えると思います。
消費者に適したコンテンツをもっている
決済行動(商取引または金融取引)が発生する
消費者からのファーストパーティデータを活用できる
広告を配信できるプラットフォームをもっている
これらの特長をもつビジネスモデルが次のリテールメディア=コマースメディアを志向できるとも言い換えられます。
これを踏まえて、次のリテールメディアを狙える業界3つを紹介します。
旅行業界
ヘルスケアやフィットネスと同様に、旅行にもOOHとデジタルディスプレイ広告の可能性があります。
旅行者は、飛行機や列車での移動中、タクシー、レンタカー、ライドシェアカーでの移動、そしてホテルで楽しい時間を過ごし、時にはワークアウトもします。旅行中の人々は一般的に、食事、商品、体験など様々なことにお金を使うことに前向きです。また、スポーツジムのようにホテルや航空会社はファーストパーティデータと引き換えにストリーミングコンテンツへのアクセスを提供できる可能性もあります。
チャレンジなのは、旅行は常にリラックスしているわけではありません。時間が限られている上、いろいろな準備が必要であり、時にはストレスな状況にも。このように複雑な状況かつ高額にもなりがちです。もしそんな最中に、例えば航空会社の乗客に広告を浴びせれば、ツラい体験がさらに困難な体験になる可能性があります。
実例としては、 マリオットは2022年からTravel Media Networkを展開しています。このネットワークは、
同社の受賞歴のある旅行プログラムであるMarriott Bonvoyの1億6,400万人を超える会員全員を含む世界中の旅行者に拡大する予定
完全に展開されると、ディスプレイ、モバイル、ビデオ、電子メール、デジタル屋外/DOOH(室内テレビおよびデジタル画面)を含む、Marriottが所有するチャネルにわたるプレミアム在庫が特徴
ブランド広告主にとって、Marriott Media Networkは、需要が高く、志向性の高い旅行者の視聴者に、前例のない規模とパーソナライズされたメディアの組み合わせを提供
旅行者にとって、カスタマイズされたブランド体験は、よりスマートな購入決定と充実した旅行体験を促進します。マリオット・メディア・ネットワークは、購入経路、到着前、滞在中など、旅行中に関連商品やサービスを旅行者に提供し
広告主は当社のポートフォリオにある30のブランドに合わせた厳選されたコンテンツを作成できるようになる
メディア ネットワークの重要性がますます高まる中、Yahoo社はマリオットと協力して、Cookie のない世界に向けたエンドツーエンドの需要と供給ソリューションを備えたホスピタリティ業界初のメディア ネットワークを強化できる有利な立場にあり、Marriott Media Networkは、有料およびオウンドメディア チャネル全体で広告エクスペリエンスを提供し、パーソナライズする革新的な機会を開くのに役立ちます
と期待されていました。
ある金額的な試算では、2021 年の平均稼働率 75% (販売客室数 3 億 6,770 万 1,000 室)、控えめに見積もっても 1 日あたり表示される広告数 5 件、CPM が 30 ~ 50 ドルと試算すると、ホテル グループの収益は少なくとも 6 億 6,200 万ドル増加することになります。
2021 年の収益は 138 億 6,000 万ドルと報告されており、これは 7% の増加に相当します。さらに、このブランドは、ホテル業界の平均純利益のほぼ 2 倍である 29% 以上の純利益を広告に活用することができ、莫大な株主価値をもたらします。Yahoo との提携により、広告販売コストが低くなるのは言うまでもありません。
そしてさらに、マリオットの各客室には 55 ~ 75 インチのCTVが設置されており、広告には完璧なプラットフォームが備わっています。CTVは一般的に認知度向上キャンペーンに使用されており、ブランドにとって高いパフォーマンス結果を達成しています。視聴完了率は 94% であるのに対し、PC とモバイル デバイスではそれぞれわずか 74% と 69% です。Paramount Plus、Netflix、Sling、Disney+、Apple TV、Hulu はすべて、CTV インベントリで視聴者を収益化することに取り組んでいるか、それを検討しています。マリオットは、新しい CTV インベントリにより、旅行中にまったく新しい視聴コンテキストを提供できます。
〆まとめ
いかがでしたか?
大手ホテルグループの野心的かつ、現実的な取り組みをご紹介しました。
実はMarriott Media Networkには後日談といいますか、現時点で当初の意図通りに進んでいないようです。
大きな理由は、Marriotto側がRMNの様になりたくない(ニュアンス的には広告でガツガツしてると見られたくない?)、RMNではなくパブリッシャーとしてみられたい、要は広告主と消費者を繋ぐホテルとしてのコンテンツプロバイダー的立ち位置を持ちたいという要望が強く広告販売が進んでいない。
そしてもうひとつはパートナーのYahooが広告事業の不振からSSP事業を撤退しDSP事業に専念してしまったことです。
ただ、前者はMarriott側の志向の問題であり、後者は外的要因ですのでこのように価値のある1stパーティーデータ、CTVを含めたオムニチャネルな環境が整いやすい旅行事業者にはこのコマースメディア化は可能性を感じますね。楽天さんのドル箱1位が楽天市場で、2位が楽天トラベルですし。
🖊編集後記
医療ダイエットの続きなんですが、日本では用途が異なる処方などでニュースになったりしてますけど、FDA (米国食品医薬局)やEMA (ヨーロッパ医薬品許可当局)が、肥満症の適応で承認を得た食欲抑制剤であるSaxendaというものを使っています。毎日決まった時間にお腹や太ももや二の腕など肉のゆるいところに注射します。最初ドキドキでしたけど痛くないですしなれると1分で終わります。
それではまた次回。
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