こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
eMarketerからリテールメディアの現在と将来を見通す5つのグラフがあったのでご紹介します。
📣この記事でわかること
セール広告が引き続き認知度、購入を促進する最大の広告である
リテールメディアが検索広告を押し上げている
インストア(実店舗)リテールメディアは大きなチャンス?
ショッパブルなコンテンツがリテールメディアの次の目玉商品になる可能性
リテールメディアネットワーク(RMN)はその価値を証明する必要がある
それでは本編スタートです。
1) セール広告が引き続き認知度、購入を促進する最大の広告である
上記のグラフは「どの広告がアテンション(注目した)があり、実際購買に繋がったか?」という質問に対し、赤のバーが、その広告を見た(アテンションがあった)。黒いバーが購入に繋がったことを示しています。
セール広告に一番注目があつまり
閲覧している商品カテゴリのベストセラー商品の広告
こちらも好きかもしれないという商品提案する広告
他の人も見ている商品を提案する広告
最後に閲覧している商品と無関係な広告と続きます
なんかAmazonで上での広告体験そのものですね(個人的には)。みなさんはどう感じますか?逆に言うとAmazonに広告を使ってそう誘導されているようにも感じます。
2) リテールメディアが検索広告を押し上げている
eMarketerの予測によれば、米国のリテールメディアの検索広告収入は2023年、他の検索広告のほぼ 4 倍の速度で増加すると予想され、米国のリテールメディアの検索広告支出296億9,000万ドルのほぼすべてをアマゾンが占めることになるが、WalmartとInstacartも検索広告支出のリテールメディアのシェアに貢献している1。
リテールメディアの現在の成長ドライバーは実質、検索です。プロダクトスポンサードリスティング(PSL)ですね。AmazonもWalmartも第一線で高成長、高利益率を支えているのがこのプロダクトであり、いわゆるドル箱広告商品です。
個人的にもこのPSLを導入できればRMNの売上インパクトが出せるので、ゲームチェンジャー的な広告商品なのですが、やはり実装するための規模的なハードルがついてまわります。
3) インストア(実店舗)リテールメディアは大きなチャンス?
実店舗を持つリテールメディアは、デジタル広告ではリーチしにくい消費者を含め、さらに何億人もの消費者にリーチできる可能性を秘めています。
インストア向けメディア広告費は 2023 年には 2 億 4,000 万ドルにとどまりますが、eMarketerの予測によれば、今後 4 年間で急速に成長し、2027 年までに 3 倍以上になると予想されます。
それでも、小売業者が店内環境に何が有効で何が有効でないのかを把握する中で、当面はリテールメディアの広告収入のごく一部を占めるにとどまるだろう。
これは、日本では特にこの期待が高いですよね。消去法的な形ですが、ECや広告在庫のボリュームが圧倒的に少ないので、実店舗でのリーチが圧倒的に多くなっています。いやがおうにも店内スペースを広告活用したいという思惑がでて当然です。いまDXの流れがきており、それに乗る形でリテールメディアという言葉がバズワード化していますが、何度もこちらでお伝えしているとおり、日本のリテールメディア文脈はアナログからデジタルへのDXの文脈が強いです。米国でも今後4年で既存の3倍以上という予測から、日本で同程度の伸びを示したとしてサードウェーブとしてのインパクトが出せるかというと明らかに「?」です。さらにインフラへの投資がかなりかかることは目に見えているので、ROIを精査しながらの投資になるように思います。
4) ショッパブルなコンテンツがリテールメディアの次の目玉商品になる可能性
このデータは、2023 年 6 月の Path to Purchase Institute のプレゼンテーション「代理店が小売メディアについて教えてくれないこと」からのものです。
グラフ的には、「グローバルの広告代理店のプロフェッショナルが考える次のフロンティアとなり得るリテールメディア」です。
Top5はこのようになっています。
ショッパブルなビデオコンテンツ
パーソナライゼーションの向上
オムニチャネルの消費者のトラッキング
店内のデジタル化
メディアミックス
Path to Purchase Institute によると、リテールメディア広告代理店の専門家の 57% は、ショッピング可能なビデオ コンテンツが小売メディアの次のフロンティアになると考えています。
そして、いくつかの小売業者はすでに最前線にいます。
・Walmartは、 Roku との提携を通じてショッピング可能な CTV 広告をテストしています。
・Albertsons は、Meta を使用してショッピング可能な Facebook と Instagram のビデオ広告を試験的に導入しました。
・The Fresh Market は、ショッピング可能なライブコマースで Firework と提携して、ショッピング可能なビデオを実験するための小売メディア ネットワーク全体を作成しました。
WalmartとRokuの提携は以前、CTV関連の記事で紹介しましたね。そしてこれらの動きはRMNがパートナーシップを模索している旨の記事で触れました。ライブコマースの動きも大きく期待されており、大手プラットフォーム特にソーシャルプラットフォームはかなりの投資をし始めていますが、個人的にはその販売スタイルや体験がグローバルでは合う国、合わない国などありそうな気がしています。日本はどうでしょうか。
5) リテールメディアネットワーク(RMN)はその価値を証明する必要がある
Skai と BWG Strategy の調査によると、リテールメディアの成長を阻む上位2つの障壁は、投資収益率(ROI)が低いことと、増分性を証明できないことです。
eMarketerのアナリストであるアンドリュー・リップスマン氏によると、ブランドやメーカーがリテールメディアへの広告支出を放棄するのを防ぐために、リテールメディアネットワーク(RMN)は小売業者のように考えるのをやめ、メディア企業のような考え方を始める必要があります。
これは、メディアの標準化を採用し、複数の小売店によるサードパーティ測定を提供し、ウォールドガーデンのような運営ではなく、よりオープンなアプローチを採用することを意味します。
米国のリテールメディアの急成長を阻む可能性がある2点、そしてRMNとしてのスタンス、そして標準化された測定が指摘されています。
〆まとめ
いかがでしたか?
5つのデータ(グラフ)から米国のリテールメディアの現状と予測される未来について触れてきました。現在の米国のRMNはサードウェーブとして引き続き成長を続けていくものの、既にある程度の踊り場にきているような気もします。RMN広告は検索広告を含め、広告商品として引き続きインパクトが出続けるでしょうが、一部の巨大小売企業によって支配されつつあり、ウォールドガーデン化しています。
さらにその巨大小売企業は他のプラットフォームとパートナーシップを結びさらに規模を拡げようとしています。
これは広告主(メーカー、ブランド)から見ると、RMNが分断されブラックボックス化する測定やレポートにROIの効果測定、比較が難しくなっていることの現れです。サードパーティツールによる測定のオープン化、レポートの標準化などが懸念事項となっています。
またインストア広告の拡大、ショッパブルなコンテンツが近い将来拡大期待があるデータでしたね。
🖊編集後記
実は4歳になる猫と一緒に住んでいるのですが、先日毎年のワクチン接種に行ってわかったことがありました。なんと首輪の周りが全部毛が抜けてしまってきれいにハゲてしまっていたんです。2ヶ月ぐらい前に首輪がみすぼらしくなっていたので換えたのですがそのタイミングだと思っています。ただ新しい首輪もアレルギーや猫にものすごく配慮した製品でまさか首周りが全部ハゲてしまうなんで思ってみませんでした。
原因がアレルギー以外だとすると、少しきつかったのかもしれません。摩擦があってハゲてしまったのかも。いずれにしても可哀想なことをしたね、と奥さんと反省しきりです。いまは首輪をしておらず、時間はかかりそうですが毛が生えてくるのを待っています。鈴の音が聞こえないのが少しさみしいですが。
それではまた次回。
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