食料品店やブランド(メーカー)がリテールメディア(RMN)の脱炭素化を検討しはじめている
サステナビリティをはじめ、脱炭素など地球に優しいエコフレンドリーな企業であることは消費者へのブランド価値やイメージを高めることにつながります。
こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
今回は、リテールメディアとデカーボナイズ(脱炭素化)についてです。
気候変動は地球規模で我々全員が直面している差し迫った問題です。実はみなさんが何げなく接しているインターネット広告も実は炭素を排出していることに大きく関係しています。
いま、メディア供給を脱炭素化する広告主の取り組みが始まっており、業界の主要企業は、すべてのメディアチャネルの二酸化炭素排出量を正確に追跡、報告、削減するための炭素測定へのスケーラブルなアプローチを備えたソリューションが次々と発表されています。
オンサイト、オフサイトに配信されるインターネット広告広告がRMNの一翼を担っており、そしていまや多数の広告主がRMNを活用しておりデカーボナイズに大きく関与しているのです。
📣この記事でわかること
リテールメディアとは?なぜデカーボナイズが必要なのか?
そもそもインターネット広告におけるデカーボナイズとは?
どのようにしてデカーボナイズするのか?
Scope 3という炭素排出量の分類概念
RMNでデカーボナイズを目指す理由
インターネット広告のデカーボナイズの取り組みに関する事例
デカーボナイズによって得られる利益
それでは本編スタートです。
リテールメディアネットワーク(RMN)とは、そしてなぜデカーボナイズが必要なのか
リテールメディアネットワーク(RMN)とは、小売業者が自社のデジタルプラットフォーム(ウェブサイト、アプリなどいわゆるオウンドメディアともいわれる)を利用して、サプライヤーやブランドが消費者に直接広告を出せるようにするサービスです。
このモデルでは、小売業者は広告スペースを販売し、サプライヤーはそのプラットフォームを利用して製品の宣伝、プロモーションを行います。基本的に小売業者の購買データ(消費者の購買行動や興味)に基づいてパーソナライズされた広告を提供することで、より高い販売促進効果を狙います。
しかし、これらのデジタルアクティビティは、サーバーの稼働やデータの処理など、環境に対する影響を伴います。デカーボナイズとは、これらの活動から排出される二酸化炭素の量を削減し、環境への影響を最小限に抑える取り組みです。
そもそもインターネット広告におけるデカーボナイズとは?
インターネットメディア業界の二酸化炭素排出量に大きく貢献しているのは、
データセンター
コアネットワーク
コンテンツ配信ネットワーク
アクセスネットワーク
エンドユーザーデバイス(スマホやPCなど)
この5つです。
どのようにしてデカーボナイズするのか?
これは、ナニはなくても測定です。
メディアのサプライチェーンによって生成される二酸化炭素排出量が測定され、追跡されると脱炭素化への手順が明確になります。
各ツールで標準化されたデータセットにより、ブランド、代理店の利用が可能になります。
パブリッシャー、プラットフォームは、メディアのサプライチェーンの炭素排出量の最適化に積極的な措置を講じるよう求められています。
Scope 3という炭素排出量の分類概念
サプライチェーン排出量 = Scope1+Scope2+Scope3
この概念に則って、2 つの主要なステップにより、業界が目標を達成できると考えられています。
ブランド、メーカーと代理店が購買力を利用してメディアのサプライチェーンの行動に影響を与えることができる
パブリッシャー、プラットフォームはアドテクスタックを積極的かつ慎重に最適化することで二酸化炭素排出量を最小限に抑え、気候変動目標の達成を目指す広告主からの支持を得ることができます。
Scope3 は、分類区分(カテゴリ)レベルで見るのではなく、すべての企業がすべてのチャネルにわたるすべてのインプレッションをどのように測定するかについての計画を作成する必要があります。
RMNでデカーボナイズを目指す理由
RMNは既に米国では検索広告、ソーシャル広告に次ぐサードウェーブの規模となっており、RMNへの広告予算の投下もさらに伸びています。RMNはすでにインターネット広告の中で、非常に大きな部分を占めているのです、こう考えるとRMNにとってもデカーボナイズの必要性が認識されるのではないでしょうか。
環境への責任:企業は、環境への影響を考慮し、持続可能な運営を目指す必要があります。デカーボナイズは、企業が社会的責任を果たす一つの方法です。
消費者の期待に応える:多くの消費者は、環境に配慮した製品やサービスを求めています。環境に優しいブランドに対する好感度は高く、その結果、ブランドのロイヤリティが向上します。
コスト削減:エネルギー消費を削減することで、長期的には運営コストの削渡しにもつながります。
規制への対応:環境に関する規制は世界中で厳しくなっており、先手を打って対策を講じることが求められています。
インターネット広告のデカーボナイズの取り組みに関する事例
例えば、SeenThisは、動画広告のストリーミングを通じたデータ使用量の削減を実現し、シンガポールでのキャンペーンにおいてCO2排出量を少なくとも12,000kg削減しました1。これは1年間で10台の車を道路から除去するか、地球を2周するのと同等の効果です。また、YahooはScope3との戦略的パートナーシップを発表し、Yahoo SSP内でカーボンニュートラルなプライベートマーケットプレイスメディアの利用を容易にしています2。
デカーボナイズによって得られる利益
デカーボナイズの利益については、環境への取り組みがブランド評価の向上につながり、顧客満足度やブランドへの愛着、顧客基盤のロイヤリティを高めることが知られています。
Carbon Trustの研究によると、45%の消費者は、ブランドがデカーボナイズを積極的に測定しなければ、好みのブランドの購入をやめると述べています。このような消費者の環境に対する意識の変化は、企業にとって持続可能な取り組みを進める大きな動機となります。
〆まとめ
いかがでしたか?
これらの事例と数字は、デカーボナイズへの取り組みが単に環境に良いだけでなく、ビジネスにとっても有益であることを示しています。企業は環境への影響を減らすことで、顧客からの信頼を得られ、長期的にはコスト削減にもつながる可能性があります。デジタル広告業界におけるデカーボナイズの取り組みは、より持続可能な未来に向けた重要なステップです。
サードウェーブの規模を確率しているRMNもデカーボナイズのトレンドから離れることはできないと思います。逆にデカーボナイズに積極的に関与することでRMNを活用する広告主(メーカー、ブランド)そして選ばれるRMNとしても有益になるはずです。
🖊編集後記
地球規模の災害は気候変動によるものも大きくあり、私たちの身の回りでも温かい海でしか取れなかった魚が日本で取れるようになったり、夏が長く、春や秋が短く感じたりと着実に十年単位でみても変化を感じます。
地球の歴史からみればほんの瞬き程度、いやそれ以下の短い期間で地球に大きな負荷をかけてしまっていると個人的にも感じます。
インターネット広告広告、リテール業界に少なからず関わっている私としてもこの辺りのデカーボナイズなど身近なところ、手の届くところからアクションしていきたいと思います。
それではまた次回。
今回の記事はいかがでしたか?
🙏 こちらでの情報が少しでも皆様に有益だと感じていただけるようであれば是非、シェアといいね!などポチっとお願いします。リアルに励みになります。
また、ご購読いただくと、オートマチックにRetail Media Online (RMO) がお手元に届きます。是非ご検討ください
コメントなど残していただけるとなお、身が引き締まります!のでよろしければこちらからお願いします。