こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
インターネット広告を掲載するデジタルメディアのデカーボナイズについて具体的にどうやっていくのか、また課題や克服すべきことなど考えていきます。
📣この記事でわかること
現在、15.3%の広告費が価値のない広告に使用されている
デジタルメディアのデカーボナイズの手法
デカーボナイズにあたっての課題や克服すべきこと
それでは本編スタートです。
現在、15.3%の広告費が価値のない広告に使用されている
まず、ひとつのレポートを共有します。これはEbiquityとScope3の共同調査になるのですが、こうまとめています。
43 のブランド広告主による 1,160 億のディスプレイ広告インプレッションにわたるデジタル広告支出の 3 億 7,500 万ドル以上を分析し、広告支出の 15.3% が、過剰な量の CO2 排出を発生させながら、ビジネスに何の価値ももたらさない在庫に無駄に費やされていることが明らかになりました。
そして、この調査からの発見は下記です。
ウェブサイトの二酸化炭素排出量は、ウェブサイトあたりの CO2PM が 55.2g から 4,782.8g まで大きく異なり、その差は 87 倍です。これは、メーカーやブランドが排出量を最適化したメディアパートナーを優先することに大きな意味があることを裏付けています。
1,160 億の広告インプレッションから導き出されたデジタル広告の二酸化炭素排出量の世界的な加重平均は670g CO2PM です。Scope3 データ 77,826 MtCO2e によると、これは 135 万人の乗客がロンドンからパリまで飛行機で移動するのに相当し、この量の炭素を吸収するには370 万本の完全に成長した木で1年必要です。
MFA (Made for Advertising)「広告のために作られた」Web サイトは、ブランドに価値を提供しない一方で、二酸化炭素排出に大きく貢献しています。Ebiquity によって無駄として分類された MFA Web サイトの CO2PM は、非 MFA Web サイトより 26.4% 高くなります。Ebiquityが分析した米国の全支出のうち、15.3%がMFA在庫に無駄になっていた。
グローバルで問題になっているMFAサイトは多数の広告枠を持つので、これは必然です。質の高いジャーナリズムに投資を再配分することで、広告の効果を高め、排出量を削減できます。「信頼できるニュース ウェブサイト」の CO2PM は MFA ウェブサイトよりも 52% 低く、ブランドが MFA の無駄な支出をやめるべき強力な根拠となります。
サンプルに含まれるブランドが予算の 15.3% を価値のない広告の在庫(MFA)に費やしていることの方が、インパクトあったりするかもしれませんが、その分デカーボナイズができるということです。
デジタルメディアのデカーボナイズの手法
それでは具体的にデジタルメディアはどのようにデカーボナイズしていけばよいのでしょうか?考えられる手法について触れていきます。
まずは、排出量を計算する
まず、現在の排出量の状況、特にクリエイティブを含むメディアの制作と配信に関する状況を把握する必要があります。メディア プランの詳細を炭素計算ツールに入力して、キャンペーンのフットプリントを確認できます。
インプレッションの無駄とデータの無駄を削減
視聴者向けのプラットフォームに広告が表示されるたびに、排出量が発生します。フリークエンシーに上限を設けることで、広告の表示を制限できます。必要なプラットフォームとチャネルにのみ広告を掲載するようにし、高炭素フォーマットへの依存を減らす方法を検討してください。たとえば、解像度が低い短いビデオは、解像度が高い長いビデオよりも二酸化炭素排出量が少なくなります。一方で、アテンションの観点ではビデオが圧倒的にディスプレイ広告よりもアテンションを得ているので、低解像度の短尺ビデオがディスプレイ広告よりも全体的には効率的であるという観点もあります。
既存のコンテンツをリサイクルする
デジタルメディアの撮影、編集、制作も、特にこれらのプロジェクトで外部機関と協力する必要がある場合、排出量に影響します。ビデオ映像、画像、その他のデジタル資産を新しいキャンペーンに「リサイクル」して再利用する方法を検討してください。
配信時間をずらす
消費のピーク時に広告を掲載すると、電力網にさらなる負荷がかかり、キャンペーンの二酸化炭素排出量が増加する可能性があります。代わりに、十分な視聴者を維持しながら、ピーク以外の時間帯に広告を掲載する余裕があるかどうかを評価してください。
サプライ チェーンを評価する
ビジネスリーダーは、自社のサプライ チェーン全体にわたる炭素排出量を評価するまで、サプライヤーの事業が排出量の大きな割合を占めている可能性があることに気づかないことがよくあります。広告ビジネスにおけるこのような側面を認識してビジネスをする必要があります。
デカーボナイズにあたっての課題や克服すべきこと
3つの克服すべき観点があります。
技術的課題: エネルギー効率の高い技術の開発と導入
経済的課題: グリーンエネルギーへの初期投資コスト
意識の課題: 業界全体での環境意識の統一と向上
これらの課題はインターネット広告のデカーボナイズだけではなく、デカーボナイズ全体にかかる課題です。
そしてこれは個人的にも感じる
見えない(見えづらい)
- そもそも温室効果ガスなど見えない、感じない→危機感ない今やるべきことなのか
- これって今じゃなくてよくない?先送りにできるんじゃない?→棚上げし易いコストがかかり見返りや効果が気になってしまう
- 見えないもの、見えづらいものにお金をかけるってどうなの?→直接売上に繋がることじゃない
に支配されやすいです。
さらに広告業界は、広告の影響力を測定する際に、その影響力自体のカーボンフットプリントを考慮しないケースが多いのではないでしょうか。
例えば、もし環境に優しくない製品のキャンペーンが成功し、販売、売上を増やした場合、その追加販売から生じるカーボンフットプリントは本来、広告代理店にカウントされるべきかもしれません。一方で広告主や代理店は、より持続可能な製品を宣伝するか、より環境に優しい行動を促進することで、その影響力を良い方向に使うこともできるかもしれません1。
〆まとめ
いかがでしたか?
2回、いやその前を含めると3回に渡ってリテールメディアとデジタルメディアのデカーボナイズについて触れてきました。リテールメディアに掲載されるインターネット広告が、炭素排出量として測定できているということ。そしてメディア運営者としてデカーボナイズできる具体的な考え方など見えてきたかと思います。
このテーマは個人的にも追っていきたいので事例や面白い記事などありましたら引き続き共有していきますね。
🖊編集後記
いま記事を書いている日は2/5(火)なのですが外は雪です!
ここしばらく東京では積雪までいっていなかったと思いますが、今日のは積もりそうです。そんな週に限って、海外から本社のVPがきており、いろいろとワチャワチャしそうなのに雪でタクシー捕まらなかったりしそうで困ります。
みなさんも滑って転んだりしないよう気をつけてくださいー。
それではまた次回。
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