ExchangeWire の記事からお伝えしたいこと (前編)
先日 ExchangeWire さんでインタビュー頂いた記事がリリースされましたので、今回から数回にわたってこちらでもお伝え致します。今回はその前編です。
こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
昨日、2024 年 4 月 8 日に ExchangeWire さんでインタビュー記事1 がリリースされました。普段、RMO では意識的に廣瀬が所属している企業名やプロダクトについては積極的に触れないようにしておりますが、所属している会社 (米国) の考えと、廣瀬個人の思いも含めて記事に反映させていただいたので、その記事でお伝えしたかったことを RMO でも触れさせていただきます。本社の社内レビューももちろん受けているので、所属企業の考えと私の考えも一致していることも合わせてお伝え致します。
📣この記事でわかること
SSP である PubMatic がリテールメディアに取り組む意義
現状、特に日本の広告ビジネスの困難
リテールメディアがオープンウェブを救う?
それでは本編スタートです。
SSP PubMatic がリテールメディアに取り組む意義
記事でも冒頭で紹介されている通り、PubMatic は米国に本社を置くアドテクノロジー企業です。広告を掲載することで売上をあげているメディア企業に対して広告ビジネスの効率性、収益性を高める多角的なソリューションを用いてパブリッシャーを支援する SSP サプライサイドのプラットフォームです。
SSP である PubMatic がリテールメディア及びコマースメディアをサポートする意義は記事内でも触れていますが、リテールメディア(本記事ではリテールメディアで統一します)は本来サプライサイドのビジネスだと考えているからです。サプライサイドのビジネスとは、前述したとおりメディアが広告を掲載することで売上をあげるビジネスです。本 RMO でも常々お伝えしているとおり米国のリテールメディアは、小売業者が自社の購買データの価値を認識し、広告ビジネスの高収益率 (小売業に比較し数倍の収益率)に着目し、取引のあるメーカーに対して自社の広告システムを提供することで高い ROI を還元することを可能にしました。この広告システムを提供することがこれまで PubMatic が SSP として日本を含めたグローバルのパブリッシャーに提供してきたことと一致しているのです。
現状、特に日本の広告ビジネスの困難
メディアの広告ビジネスは思った以上に複雑なもので、各メディアの持つ広告枠に出稿してもらう為にあらゆる努力が必要です。
メディアの広告ビジネスには、純広告と呼ばれるメディア側が単価、広告配信数、配信期間をコントロールしている広告商材と、それ以外の運用型のタイプに大きく分かれます。純広告はメディア側の営業チームが売る (日本ではいわゆる手売り) が多くを占めますが、年を追うごとにその割合は減少し、現在、ほとんどの広告は運用型のタイプ、いわゆるネットワーク広告と呼ばれる単価、配信数、配信期間などをメディア側がコントロールすることが難しいタイプの広告で占められています。理由は単純に広告主がパフォーマンスを重視しているためです。これらのネットワーク広告は当然ながら、安定性に欠き、見通しを立てることも難しいことが特徴です。SSP は本来このような複数のネットワーク広告を束ね、その中から効率的に高収益が望める広告を配信する為の機能がコアとなっています。ほとんどのメディア事業者はできるだけ高収益化できるよう複数の SSP を導入しています。ただこれらは別の視点から見ると受け身のビジネスです。受け身とは、自社で広告を獲得し自社で高単価で自社の広告枠を販売することが難しいことを意味します。なぜでしょうか?
それは自社のアセットがコモディティ化してしまっているからです。平たく言うと他のメディアや広告商材に比べ、強みが薄い、差別化が見えないということです。
今、メディアで強いのは何でしょうか?
我々オープンウェブのポジションからは残念ながら、ソーシャルメディアが筆頭に上がると思います。そして広告商材で強いのは、検索連動型広告、そしてソーシャル広告です。これらの強みは圧倒的なリーチ量、精度のあるターゲティング、そしてパフォーマンス(加えて運用負荷が非常に軽いことも付け加えておきます)です。当然、プロフェッショナルコンテンツを持つメディア群が品質の面で劣っているわけではありません。そういう意味では上回っていて当然ですし、収益が上がるべきです。しかし残念ながらそうはなっていません。これにはトラフィック(そのコンテンツページにたどり着く経路もしくは、ユーザー体験)に問題があります。各メディア事業者にヒアリングしてもほとんどの流入元はソーシャルメディア、オーガニック検索からによるものが圧倒的で、メディア名を指定した流入はかなり少ない状況です。これはメディア自体を目的に流入しているのではなく、特定記事に興味があり検索、ソーシャルでレコメンドされたりした結果、流入に至っていることを示しています。これではかなり他力本願のトラフィックとなり、おのずと収益化も同様になっていることは想像に難くないと思います。
リテールメディアがオープンウェブを救う?
メディア、テクノロジーベンダーが長年施策していますが、このようにコモディティ化したメディア群から抜け出すことは複数要因もあり容易ではありません。一方でリテールメディアについてはある意味ゼロスタートに近い状態です。具体的にはリテールメディアの主体である小売業者は広告ビジネスをこれから始める状態であり、広告媒体となるアセットは小売業者のオウンドメディア(オンサイト配信)に加え、自社購買データをターゲティング軸とした外部メディアへの配信(オフサイト配信)です。米国のリテールメディアはまずオウンドメディアでの収益が全体の 70 − 80% を占めますが、外部へのオフサイト配信は今後大きな伸びしろとなっています。このオフサイト配信について PubMatic は大きな機会と捉えています。なぜならこれまで PubMatic が SSP として取引をしてきたオープンウェブの各メディア群への配信を意味するからです。トラディッショナルメディア、オンラインメディア、ツール、ゲームへ、Web, App, CTVOTTなどの複数チャネルに、DeskTop, Mobile, Tablet などデバイスを問わず広告を配信することができます。
そして、デジタル広告の進化に伴い、SSP も進化し PubMatic はこの度、小売事業者が取引先メーカー、ブランドから獲得した広告を自社で運用できるよう、PubMatic が既に接続されているメディアへの買付 (オフサイト配信) 及び、小売事業者のオウンドメディアの買付 (スポンサープロダクトリスティングとオンサイトディスプレイ配信) を可能にした買付ソリューションを内包したプロダクトをローンチしています。それが記事にある CONVERT です (リンク先が英語ページなので、ブラウザで翻訳してご覧いただければ幸いです)。リテールメディアソリューションはクローズドループ測定がキモです。これは広告表示からコンバージョンまでのアトリビューションを追い、ROI を測定するレポート機能です。これがあるから米国の広告主はリテールメディアへの広告費を投資し続けることができています。KPI が合う間は広告費を投じ続けるでしょう。また自社購買データを活用しているので、オープンオークションでの配信でなく PMP で配信することで単価の優位性を付け、さらに配信先をコントロールすることができます。このように PMP レスの日本マーケットでも PMP による売上が伸びる下地があると考えています。
〆まとめ
いかがでしたか?
前半は、PubMatic のリテールメディアに対する考えや日本マーケットへどんな影響が与えられるかなどに触れました。後半は、具体的なプロダクトの機能やアクションなどに触れていきます。
🖊編集後記
「アライ」話題ですよね?ね?個人的には超話題です。85cm 以上が目安と言っていたのでスグに測りました。余裕でした!赤い錠剤の件もあってちょっと考えるトコもありますが、トライしてみたいと思っています!またコチラでも報告しますねw
それではまた次回。
今回の記事はいかがでしたか?
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