なぜ、米国の大手ホームセンター「Home Depot」は自身の RMN をリニューアルしたのか
米国ではリテールメディアが次のフェーズに入っているようで RMN のリニューアルをしたりしています。そのあたりについて触れていきます
こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
今回は米国大手ホームセンターであり、リテールメディアへも早期に参入していたHome Depot が自社 RMN をリニューアルしたことについて見ていきたいと思います。
📣この記事でわかること
Home Depot とは
Home Depot の RMN リニューアルの意図は
Orange Apron 名前の由来
NewFrontを狙うリテールメディア
それでは本編スタートです。
Home Depot とは
Home Depot は、米国最大のホームセンター小売店です。2021 年時点で同社の従業員数は 490,600 名、売上高は 1,510 億ドルを超えました。同社はジョージア州非法人コブ郡に本社を置き、住所はアトランタにあります。2020 年の時点では、米国最大の企業をランキングするフォーチュン 500ランキングで総収益で 26 位にランクされています。2023 年、同社はForbes Global 2000で 67 位にランクされています。
Compete.com の調査によると、 homedepot.comドメインには、2008 年までに少なくとも年間 1 億 2,000 万人のアクセスがありました。米国では、HomeDepot.com はジョージア州ケネソーに 5 つのコールセンターを持っています。ジョージア州アトランタ。ジョージア州マリエッタ。ユタ州オグデンとアリゾナ州テンピ。 Home Depot オンラインでは、店舗での受け取りとオンラインでの返品が可能です。
日本だと、ジョイフル本田とかコメリが近いでしょうか。
Home Depot のリニューアルの意図は?
Home Depot は始めての自己主催リアルイベント「In Frons」を 3 月 28 日に開催しました。これは、それぞれ「従来のメディア企業」と「デジタルメディア企業」が主催する Upfronts と Newfronts をモデルにした、リテールメディアに関するリアル (Webinar などオンラインではない) のマーケティングサミットです1 2。
そのイベントで彼らの従来の RMN である「Retail MEdia +」を刷新し「Orange Apron」という名前にリブランドしました。これには彼らの RMN がホームセンターネットワークだけでなく、リテールメディア全般のマーケットでの差別化を図ることが背景にあります。
大きなアップデートは、従来別々だったオンサイト/オフサイトの配信プラットフォームが統合され、Orange Access というワンプラットフォームをローンチし全ての広告主がキャンペーンを 1 箇所で運用できるようになること、データクリーンルームを使った新たな測定ソリューション、およびアメリカのスペイン語地上波の Telemundo、アメリカ最大のスペイン語テレビネットワークの Univision など新しいメディアパートナーを含む配信面の拡大です。
Advertiser Perceptions の最近のレポートによると、RMN の広告支出は 2024 年にオフサイト配信の牽引により 30% 増加し、2025 年には米国のデジタル広告全体の 4 分の 1 (23.5%) 、816 億ドル (12 兆 2400 億円 < 150 円換算> ) 近くを占めると予測されています。
Orange Apron が狙っているのは、従来の取引メーカーであるエンデミック広告主だけではなく、ノンエンデミック広告主の拡大、それはオフサイト配信によるものだということはこのアップデートで明らかに見えています。
また、ミレニアム世代、Z 世代が最大の多様性を持つ顧客であり、新しいインフルエンサーとのパートナーシップや、コンテンツ作成のための 18 エーカーの制作施設である Studio Orange も立ち上げたそうです 。
Orange Apron 名前の由来
気になるのは、なんでオレンジ色のエプロンなのか?ですよね???
The Home Depot 内で誰がサービスを提供しているかを考えると、すべてはオレンジ色のエプロンに行き着くそうです。収益化担当バイスプレジデントのメラニー バブコック氏はこう言っています。
「コールセンターにいる従業員は毎日エプロンを着用しています。私たちの店舗の従業員もエプロンを着用しています。そして、私たちのオフィスでは重要な会議ではすべてエプロンを着用しています」
独自のブランドという意味ではこのオレンジ色のエプロンが Home Depot を象徴しているのですね。
NewFrontを狙うリテールメディア
リテールメディアメディアが成長していることは疑いようがなく、RMN が成長し成熟するにつれて、Infronts のような広告主に対するピッチイベントが今後もさらに増えてくるのは自然です。このような大手リテールメディアによる業界イベントが標準化されることで、NewFrontによる売上が増加してくればリテールメディア側が求める収益の拡大、安定に直結するからです。
プランナー、バイヤー、ブランドに如何に興味を持ってもらい、広告費の検討段階で少なくとも RMN が意味のある場所であり、さらに自社の RMN を選んでもらうようにするには、多くの情報を積極的にピッチする機会を設けることができるこの手のイベントは意味のあるものでしょう。
〆まとめ
いかがでしたか?
Home Depot は自身がホームセンターなので、多種多様な商品を扱っており関連するエンデミック広告主も多く、リテールメディアと親和性は高くさらに、ホームセンターという専門性のあるセグメントで差別化もし易く成長してきました。RMN を開始して 5 年経つ今、自身の RMN をリブランドしてサービスを拡張しました。ここで注目すべきは、彼ら自身が自社の RMN を評価分析して、プラットフォームとして改善し、さらなる広告費の獲得に積極的であるということです。そしてそのキーとなるものが、ノンエンデミックへの NewFront での事前広告売買と効率的なオフサイト配信でした。これは RMN の次のフェーズといってもよさそうです。
🖊編集後記
4 月に入って、電車が気持ち混んでいるなぁと感じました。学生さんはまだな気もしますが、新入社員の方々は今週からでしょうしね。そして廣瀬は J-Wave のヘビーリスナーなのですが、今年の春は番組再編が大きく、馴染みの番組もなくなったりと変化を感じます。自分も変化を楽しんでいこうと思います!
それではまた次回。
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