こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
前回は、食料品配達大手の Instacart (インスタカート) の概要についてふれてきましたが、今回から具体的なソリューションをInstacart の記事1を参考にしながらご紹介していきます。まずは店舗向けソリューション編です。
📣この記事でわかること
Instacart の店舗向けテクノロジー
コネクテッドストア
よりパーソナライズされたエクスペリエンス
必要なものを見つけ、新しいものを発見する
食料品店の店内業務の効率化
コネクテッドストアの構築
それでは本編スタートです。
Instacart の店舗向けテクノロジー
Instacart がクライアントである小売業者(食料品店)に提供する自社ソリューションのキーとなるものが 3 つあります。
それは、
食料品店が持つ顧客、データ、そしてブランドです。
この 3 つをキーに彼ら独自のテクノロジーを用い、複数のソリューションを各食料品店の事業形態にフィットする形でカスタマイズ提供しています。食料品店はこのソリューションを使って、オンライン店舗、オフライン(実店舗)双方で統合されたカスタマーエクスペリエンスを消費者にも提供できるようになります。
具体的に彼らのソリューションを見ていく前に、コチラ
を見てください (49 秒の動画です)。
いかがですか?近未来的ですか?現実です。
具体的に彼らの実店舗でのソリューションを見てみましょう。
コネクテッドストア
未来の実店舗を実現させる、ハードウェアとソフトウェア導入されているのがコネクテッドストアです。食料品店がオンラインと実店舗の両方で統合され、シームレスでパーソナライズされたエクスペリエンスを消費者に提供することができます。
コネクテッドストアは、食料品店がオンラインと実店舗の両方で統合されたシームレスでパーソナライズされたエクスペリエンスを構築するのに役立ちます。コネクテッドストアの中核にある考えは、小売業者のウェブサイトやアプリの構築をサポートするだけでなく、すべての e コマースソリューションを新しい実店舗内テクノロジーと接続し、オンライン店舗、実店舗両方の長所を消費者に提供することです。
コネクテッドストアは下記が含まれます。
Caper Cart(ケイパーカート)
Scan & Pay(スキャン & ペイ)
In-Store mode(インストアモード)
Carrot Tags(キャロットタグ)
FoodStorm(フードストーム)
Out of Stock Insights(在庫切れ報告)
Eversights(エバーサイト)
Storefront(店頭)
Fulfillment as a Service(フルフィルメント アズ ア サービス)
これらの機能は全てモジュール化されており、必要、不必要な部分を取捨選択して導入することができますし、各機能を導入するにあたって異なるベンダーと取引する必要もなくなります。特に実店舗を多数持っている小売業者の場合、数十台の高価なカメラを設置したり、店舗の改造に数億円も費やこともあるのでなおさらです。
これらのモジュールの中での目玉商品は先の動画でも見ていただいた Caper Cart でしょう。計量計、センサー、タッチスクリーン、コンピュータービジョンテクノロジーを備えた AI 搭載のスマートカートです。タッチスクリーンは店内の移動に役立ち、セルフチェックアウト端末や他のスマートカートとは異なり、Instacart 独自のスキャンレステクノロジーにより、商品を手動でスキャンする必要がありません。カートに入れれば、リストからチェックされ、そのままバッグに入れてカートからチェックアウトできます。これは、市場でスタック充電(カートを積み重ねた状態で充電可能)を提供する唯一のスマート カートです。つまり、食料品店はカートを個別に充電したり、バッテリーを交換したりする必要がありません。また、Caper Cart は無線でアップグレードできるため、今後も改良され続けるでしょう。
そして、Scan & Pay です。これは買い物中に商品をスキャンし、携帯電話で支払いを済ませることができます。Scan & Pay は、店舗で購入した商品をオンラインアカウントにリンクさせるので、再購入が簡単になります。また、EBT SNAP のユーザーは、スキャンと同時にどの商品が EBT SNAPの対象商品であるかが通知されるため、店内を探索して認証済みの商品を見つけることがより簡単になります。
よりパーソナライズされたエクスペリエンス
Instacart を使用していても、していなくても、おそらく大半の消費者はオンラインでの買い物リストと、実店舗で買う時のためのオフラインの買い物リストを持っているはずです。それらを組み合わせることができればより、効率的な買い物体験ができるとは思いませんか?
Instacart ならそれができます。
Instacart List を使えば、実際に実店舗で買い物をするときにオンラインリストを簡単に使用できるようになります。実店舗に入り、Instacart アプリまたは食料品店の Instacart 搭載アプリから QR コードをスキャンして買い物リストを Caper Cart に直接同期するだけです。 Caper Cart は、消費者が探しているアイテムを見つけて、カートに入れると自動的にチェックを入れてくれます。また、Caper Cart または Scan & Pay を使用すると、店舗で購入した商品がオンラインリストの一部となり、Instacart または小売業者の Instacart を搭載した Web サイト経由でオンラインで再購入できます。
そしてリテールメディア的な意味合いでは、このタッチスクリーンにユーザーに最適化された広告が配信されます。こちらの動画を見てみてください(1 分 36 秒のビデオです)
消費者の買い物に合わせて、非常にスマートな形で広告が配信されます。これにより消費者は自分の興味関心のある商品がリコメンドされ、新しい商品に出会う機会が生まれ、広告主は消費者とのエンゲージメントが加速します。
必要なものを見つけ、新しいものを発見する
食料品店では、テクノロジーのおかげで、探しているものが見つけやすくなり、購入する商品について詳しく知ることができ、リストにある他の買い物をしながら、パン屋、肉屋、デリに注文することができます。
食料品店の店員を見つけることができず、どこに何があるのか尋ねられない経験はありせんか?Carrot Tags は電子棚のラベルと連動しているので、商品を探したり、新しい商品を知ることがこれまで以上に簡単になります。Carrot Tags にはピックトゥライト機能があり、顧客や店員、Instacart の買い物客が携帯電話で商品を選択すると、対応する棚ラベルが魔法のように点滅します(なんか想像するだけでワクワクしますね)。Carrot Tags は、特定の商品がグルテンフリーかどうか、オーガニックかどうか、コーシャであるかどうかといった情報も表示できます。また、電子棚ラベルのQRコードをスキャンすることで、SNAP対象商品かどうかなど、商品についての詳細情報を得たり、レシピをオンラインプロフィールに保存したりすることができます。
お目当ての商品を棚から探すだけでなく、焼き菓子や温かい商品、デリサンドイッチなどを買い物ついでに簡単に注文できるようなります。もうカウンターに並んで待つ必要はないのです。生鮮品、カスタムメイド、惣菜も高い利益率をもたらす傾向があるので利幅が大きくなりがちなので、これは小売業者にとっても良いことです。
Instacart は既に店内のキオスク端末でオーダーできる「ケータリング&ミール」ソフトウェア「FoodStorm」を通じて、食料品店が紙のチケットをすべてオンライン化しています。そして、店舗内のさまざまな部門が共同作業できるようにする、 Department Ordersの開始により、消費者はベーカリーでケーキを注文し、デリでサンドイッチを注文し、実店舗側は同時に調理をすることができるようになります。また、買い物のついでにサンドイッチやピザなどのカスタムメイドを注文し、数分で受け取ることもできます。消費者とっては簡単で、実店舗側にとってもより効率的に注文に応じることができます。例えば、フロリダの地元で人気の家族経営のイタリアン専門市場 Joseph's Classic Market を訪れて、今夜のディナー用の生鮮食料品を買うついでに、サンドイッチをカスタムオーダーすることができます。
食料品店の店内業務の効率化
これらのテクノロジーの中には、食料品店の業務効率化にも役立つものもあります。そして Instacart には、それを助ける独自のデータがあります。たとえば、食料品店は、棚に在庫があることを確認するために多くの時間とエネルギーを費やします。そのプロセスを簡素化できたらどうでしょう?これまで、Instacart は買い物客からのデータを毎日小売業者と共有して、どの商品を補充する必要があるかを小売業者に知らせてきました。Out of Stock Insights を使用すれば、同じ情報がリアルタイムで小売業者に提供されるため、商品が少なくなったり在庫切れになったりするとすぐに店員に警告できます。小売業者にとって、これは売上の機会損失が減ることを意味します。顧客にとっては、必要なときに必要なものを正確に見つけられる機会が高まることを意味します。
コネクテッドストアの構築
コネクテッドストアのすべてのピースが揃ったとき、どのような姿になるでしょう?
Instacart とカリフォルニア州アーバインにある Bristol Farms の実店舗で、Caper Carts、Scan & Pay、Lists、Carrot Tags、FoodStorm などの Connected Stores テクノロジーが導入されています。オンラインストアに対しては、Storefront Pro を使用してオンラインストアを強化し、実店舗との接続を通して両方でより良いエクスペリエンスを生み出します。
顧客にとって、コネクテッドストアを通して、オンラインストア、実店舗でより良い食料品ショッピングエクスペリエンスを享受できます。小売業者にとっては、効率の向上を意味し、繰り返しの作業がなくなり、従業員は顧客サービスなどに集中できるようになります。また、オンラインや実店舗で買い物をする顧客はより買い物に積極的になり、より多くの支出をするようになるため、利益が向上します。
〆まとめ
いかがでしたか?
Instacart の基本的ビジネスは、アプリを使った買い物代行から始まっていますが、彼らが考えている食料品の未来は「オンラインで買い物をするか」、「実店舗で買い物をするか」の 2 択ではないということです。Instacart は最高のオンラインショッピングエクスペリエンスを実店舗にも、そしてその逆も実現したいと考えており、それを具現化しているところが素晴らしいところだと思いました。
🖊編集後記
先日、所属している会社のチームビルディングの一環で、「勧進大相撲」を観戦してきました。「勧進」は寺院や仁者などの建立、修繕、または橋の架替え、道路の新設・修理などすなわち公共事業の資金を募ることで平安時代末期ごろから行われてきたそうです。今回も元旦に起こった「能登半島地震復興支援勧進大相撲」が正式名称です。内容は熱唱のど自慢に始まり、懐かしの土俵入り、相撲甚句、横綱土俵入り、櫓太鼓打分実演、取組があり盛りだくさんで相撲初心者にはうってつけでした。
昔の人達もこういう相撲を見ながら楽しんでいたんだろうなと思いを馳せたりしました。
それではまた次回。
今回の記事はいかがでしたか?
🙏 こちらでの情報が少しでも皆様に有益だと感じていただけるようであれば是非、シェアといいね!などポチっとお願いします。リアルに励みになります。
また、ご購読いただくと、オートマチックにRetail Media Online (RMO) がお手元に届きます。是非ご検討ください
コメントなど残していただけるとなお、身が引き締まります!のでよろしければこちらからお願いします。