こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
日々、リテールメディアにおける考え方、概念が発展・進化しています。みなさんはオムニチャネルリテールメディアというコトバ、どう思いますか?
今回は、オムニチャネルリテールメディアについて取り上げたいと思います。
📣この記事でわかること
オムニチャネル(Omnichannel)とは?
『3』で理解するオムニチャネルリテールメディア
ファネル別に見るリテールメディア
それでは本編スタートです。
オムニチャネル(Omnichannel)とは?
オムニ、韓国語のお母さんというオモニに見た感じ似ていますが違います(笑。オムニ(Omni)は「all(すべて、あらゆる)」を表します。ですのでOmni-Channel(オムニチャネル)はすべて(あらゆる)のチャネルと理解できます。
よく聞くコトバとしては、「マルチ」に近しいと思います。マルチチャネル、マルチスクリーン、マルチデバイス、マルチフォーマットなどなど。最近だと、NetflixやTVerなどのストリーミングサービスがマルチスクリーン、マルチデバイスで視聴することができます。具体的にはTV(コネクテッドTV)、PC、スマートフォン、タブレットなど同じコンテンツをいろいろな種類のデバイス(端末)でいつでもどこでも視聴することができます。マルチをオムニで置き換えることで、オムニチャネルが理解出来ると思います。
ただ、オムニチャネルリテールメディアの場合、『オムニチャネル』と『マルチチャネル』を区別することが重要です。IABヨーロッパは、リテールメディアにおけるオムニチャネルを次のように定義しています。
複数のリテールメディア・チャネル(オンサイト、オフサイト、店舗内を含む)を活用して買い物客にリーチし、広告によるシームレスな顧客体験を生み出すこと
マルチチャネル・・・消費者の購入までに至るまでのプロセス(=カスタマージャーニー)を考慮することなく、さまざまなチャネルで商品を宣伝することを意味する
オムニチャネル・・・全てのチャネルを消費者が商品を購入するまでのマーケティングプロセスに組み込むこと
『オムニチャネルを実行する』ということは、様々なステージの消費者にさまざまなタイミングで、接続された全てのチャネルを使って消費者とのタッチポイントを統合した形でシームレスで一貫性のあるメッセージを伝え、商品の購入をあと押しすることです。
いわゆるマーケティングファネルに組み込まれた状態になっています。
例えば、消費者はオンラインで商品を調べて実店舗購入するかもしれないし、実店舗で商品を見たあとに、オンラインで注文するかもしれません。
マルチチャネルでは、買い物客と複数のタッチポイントで接触することができますが、チャネルは統合されておらず、シームレスでなく、伝えるメッセージもバラバラで、データは分断化した形で収集されます。マーケティングアトリビューションの概念が抜け落ちているため消費者に効果的かつ適切な広告が当てられません。メーカー、広告主本来の目的である、商品の購入促進という意味ではマルチチャネルでは片手落ちなわけです。
『3』で理解するオムニチャネルリテールメディア
さて、オムニチャネルリテールメディアは大きく3つの意味合いから成ります。
コネクテッドTV、PC,スマートフォン、タブレットそして実店舗のサイネージなどあらゆる場所で接触可能というマルチデバイス的な意味合いと、
接触するデバイスによりマーケティングファネルの上層から下層にかけて、フルファネルでのリーチが可能という意味合い、
そして、その手段としてオンサイトリテールメディア、オフサイトリテールメディア、インストアリテールメディアの3つをまとめた複合した概念を指す意味合いです。
インターネット広告の標準化を推進するIABはリテールメディアを下記に定義しています。
現在のリテールメディアはオンサイトリテールメディア、オフサイトリテールメディア、インストアリテールメディアの3つで構成されています。
オンサイトリテールメディアは、小売業者の持つ主にEC上の検索広告、ディスプレイ広告
オフサイトリテールメディアは、ソーシャルメディア(コマース)、オープンウェブのプレミアムコンテンツ上のディスプレイ広告(バナー、動画)そして、コネクテッドTV(CTV)に配信される広告
インストアリテールメディアは、実店舗内のデジタルサイネージ、レジ等のディスプレイ広告
これらの3つのリテールメディアがリテールメディアネットワーク(RMN)を媒介として、複数のタッチポイントで消費者とコミュニケーションをとることができるのがオムニチャネルリテールメディアです。
ややおさらいになりますが、三方よしのリテールメディアの基本と密接に絡んでいます。
メーカー、広告主はRMNを通じて、消費者とコミュニケーションをとり商品の販売を促進します。
小売業者はRMNを通じて広告売上を伸ばし、
消費者はRMNを通じて配信される、自分にカスタマイズ、パーソナライズされた広告で認知、興味を引き、検索などしながら商品を比較し購買に至ります。
ファネル別に見るリテールメディア
また、これら3つのリテールメディアに向いているファネルがあります。
CTVやソーシャルメディア、プレミアムメディアへブロードに配信できるオフサイトリテールメディア
→認知
プレミアムメディアで特定商品をリサーチ=オフサイトリテールメディア
特定商品を検索=オンサイトリテールメディア。
実店舗で商品を比較=インストアリテールメディア→検討
プロダクトリスティング広告経由で購入に至る=オンサイトリテールメディア
商品棚のPOPや店内看板、プロモーションなどの施策で商品購入に至る=インストアリテールメディア
→購入
次回クーポンなどを配布しリピートを促す=オンサイトリテールメディア・インストアリテールメディア
→ロイヤリティ
このようにカスタマージャーニーに沿ってオムニチャネルでアプローチができることが、オムニチャネルリテールメディアです。
オフラインの実店舗(や大手チェーン)をマーケティングファネル(認知→検討→購入→ロイヤリティ)に当てはめると、
認知→TVやチラシなどの印刷物、屋外看板
検討→店舗内のエンドキャップを使った特設棚やスペース
購入→で商品棚のPOPや店内看板、プロモーションなどの施策で商品購入をあと押し
ロイヤリティプログラム→リピートを促します。
これをオムニチャネルリテールメディアに当てはめると、
認知→オフサイトリテールメディア(CTV、ソーシャルメディア、プレミアムメディア)、インストアリテールメディア(店舗内サイネージ等)で商品認知促進。
検討→オンサイトリテールメディア(スポンサードディスプレイ)オフサイトリテールメディア(ソーシャルメディアやプレミアムメディア)、インストアリテールメディア(店舗内ディスプレイ、POP)を使って商品を吟味
購入→オンサイトリテールメディア(スポンサードサーチ)、インストアリテールメディア(デジタルPOPやデジタルクーポン等)で商品購入をあと押し
ロイヤリティ→オンサイトリテールメディア(スポンサードディスプレイやサーチでリターゲティング、リマインダー)やインストアリテールメディアで次回クーポン等を配布
というようなストーリー、キャンペーンプランニングを描くことができます。
今回はここまでです。
〆まとめ
いかがでしたか?
オムニチャネルリテールは新しい概念とか新しいリテールメディアの種類ではなく、既出のリテールメディアを概念的にまとめたようなものです。オンサイトリテールメディアやオフサイトリテールメディア、インストアリテールメディアは各場所、ユーザー、ファネルのフェーズなどによって出し分け、使い分けていきます。
そして、マルチチャネルとオムニチャネルの違いを抑え、オムニチャネルリテールメディアを実施するとどうなるか?
例えば炭酸飲料のメーカーが、新しい飲料を発売すると仮定しましょう。
このメーカーはリテールメディアネットワーク(RMN)パートナー(ウォールマートのRMNである、Walmart Connect や Kroger の Precision Marketing (KPM) など)と連携し、炭酸飲料の広告を出します。すると各RMNは過去の購買履歴などを使って、インスタグラムなどのソーシャルメディアやオープンウェブのスポーツコンテンツを持つプレミアムサイトで消費者にリーチします、その後ウォールマートやクローガーのEC(ウェブやアプリ)に訪れた消費者(過去に同メーカーの炭酸飲料を買っていたもしくは競合の飲料等を買ったことがあるなど、炭酸飲料に興味があるであろう消費者)に初回クーポンを提供、次に実店舗に消費者が訪れると店内のデジタルサイネージや音声放送を使いアプリをチェックしてクーポンを持っているか?特別オファーを受け取っているか?の確認を促します。そして消費者がクーポンを使って新商品を購入すると、長期的なロイヤリティーを構築できるよう、継続して使えるクーポンや、まとめ買い用のクーポンなどが提供されます。
このように、リテールメディアはカスタマージャーニーをあらかじめ設計し、ターゲティングし、モバイルデバイスや店内デバイスなど、いろいろなタッチポイントで一連の広告施策を行います。これがオムニチャネルリテールメディアの一例です。
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それではまた次回。
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