こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
先日 Home Depot が自社の RMN をリブランドしたという記事を書きましたが、その背景のひとつが、UpFront, NewFrontというあらかじめ広告主にピッチして事前にリテールメディアへの予算配分を決めてもらうという動きがあることをお伝えしました。リテールメディアが成果の見えやすい広告商材だというのは認識がありますが、具体的には何か指標があるのでしょうか。
📣この記事でわかること
なぜリテールメディアへ NewFront の買付動機が増えているのか
ROMI がリテールメディアへ予算をシフトさせる意味のある理由となっている
それでは本編スタートです。
なぜリテールメディアへ NewFront の買付動機が増えているのか
米国ではリテールメディアはサードウェーブとして検索広告、ソーシャル広告に次いで存在感が増し続けており、先日の記事の通り RMN 自身が広告主、代理店のマーケターに対し、NewFrontでのピッチをかけ、予算を確保している状況にまで発展しています。
そもそも、メディア側(従来は TV 局)が事前に番組やコンテンツを広告主、代理店のマーケターに披露して、事前に固定価格で広告予算を確保する手法が UpFront なのですが、そのデジタル広告版が NewFront と呼ばれています。いま、マーケターの中でこの UpFront と NewFront の境目がなくなってきている、曖昧になってきている状況があります。それは近年、ストリーミング環境が普及し、さらに CTV で広告をサポートするプラットフォームが増え、従来の地上波、ケーブルテレビでの UpFront に加え、CTV への NewFront もマーケターはケアしなくてはならなくなっていること、そして下記のように 2022 年から 2023 年でも UpFront 契約に費やされる予算は動画広告全体の 56% から 49% に減少しており、相対的に分散購入を意味する(UpFront の売れ残り) Scatter が 44% から 51% に増加していることも背景にあります。
現在、UpFront でマーケターが注力する上位 3 つは下記です1。
柔軟性のあるプランニング
大規模ソリューションを提供できるパートナーとの提携
消費者ファーストのプライバシー準拠されたファーストパーティーデータの活用
1) 米国ではのメディア購入は主にプログラマティック経由です。そしてストリーミングエコシステムは既に質の高いインプレッションを大量に提供しています。このため従来の質の高いコンテンツに対して、UpFront を使って優先的に予算を振り分ける必要が薄れてきて、より効果を最大化するための予算を維持しながら柔軟なメディアプランニングにシフトしてきています。
2) 広範囲で大規模なファーストパーティーのオーディエンスデータをもつパートナーとの提携は、マーケターにとって目に見える効果と最終的に意味のある ROAS を促進する広告商品でターゲとユーザーにリーチできるようになります。
3) 広告主はファーストパーティーデータを活用して消費者がコンテンツを視聴している時間と場所に正確にリーチすることでオーディエンスターゲティングが最大の効果を発揮します。データクリーンルームやプライバシー強化されたテクノロジーにより、広告主が自社の消費者データと一致するファーストパーティーを提供して規模とリーチを促進できるようになります。
上記は、TV, CTV での UpFront 文脈での話なのですがどうでしょう、リテールメディアの文脈とほぼ同じように感じられませんか?そして CTV や TV 広告からリテールメディアへの広告予算がシフトし始めているのです。
ROMI がリテールメディアへ予算をシフトさせる意味のある理由となっている
前述のように CTV は大画面への広告表示とユーザーターゲティングが可能であり、従来の地上波、ケーブルテレビと比較し、柔軟かつ効率的に広告配信が可能になりここ数年急激に成長しました。一方で UpFront/NewFront で使われてきた予算がリテールメディアにシフトし始めています。
その大きな理由のひとつが、
マーケティング投資収益率 = ROMI (Return On Marketing Investment) です。
この指標が活用されるシーンは下記です。
過去および予測されるマーケティングの生産性を評価する時
マーケティング予算のレビューと承認をする時
限られたマーケティング資金を競合するブランド、製品、市場、顧客、マーケティングミックス要素、メディアに配分する時
特定のマーケティング キャンペーンを評価して、継続か中止かを決定する時
この指標は広く使用されており、北米のマーケティングリーダー 194 人のサンプルの約 77% がこの尺度が非常に有用であると考えており、49% が「ビジネスの管理と監視に役立っている」と答えています。
ROMI は別名、パフォーマンスマーケティングを意味し、前述のようにマーケターの半数以上が UpFront/NewFront を使わず、Scatter Ads を ROMIの為に留保しています。
YouTube の 9% が CTV からの視聴であり、70% が ROMI です。さらに代理店/バイヤーの 54% は ROMI が最優先事項だと述べています。
現在、ブランドの74% がリテールメディア用の予算を持っており、これは 2021 年の 3 倍に相当します。
〆まとめ
いかがでしたか?
ROMI 知ってました?このハワイアンマッサージの名前に似ている(ロミロミ)指標は覚えておきたい指標です。そしてやはり、インクリメンタリティなんですよね。以前から何度も触れてきている指標です。マーケターとしては実施したキャンペーンに対してどれだけのインクリメンタリティがあったか、わかりやすいものに投資するものです。このシンプルなロジックからすればリテールメディアのインクリメンタリティの可視性は他メディアと比較しても抜けており、これが NewFront でも広告予算を配分するという動機につながっていると考えて支障はないと思います。
🖊編集後記
最近、「継続は力なり」と「残り物には福がある」と「チャンスの神様は前髪しかない」というコトバのはざまで揺れておりますw
それではまた次回。
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