こんにちは✋廣瀬です。日々順調ですか?
今週 TV 等でも話題になっていますが、カナダのコンビニチェーン「アリマンタシォン・クシュタール (Alimentation Couche-Tard)」が日本の最大手コンビニチェーンおなじみセブンイレブンを展開する「セブン&アイホールディングス」に対して買収提案をしたという報道がでています。双方すでにこの買収提案について事実を認めており検討に入っているようですが、RMOとしてはこれを機会に、アリマンタシォン・クシュタール(フランス語由来なので言いづらいし、書きづらいです。正直)について紹介し、彼らが現在展開しているビジネスとリテールメディアについてご紹介したいと思います。
📣この記事でわかること
アリマンタシォン・クシュタール (Alimentation Couche-Tard) とは?
米国のコンビニエンスストアランキング
アリマンタシォン・クシュタールの事業の特色
今回のセブン&アイホールディングスへの買収提案について
アリマンタシォン・クシュタールのリテールメディアの取り組み
それでは本編スタートです。
アリマンタシォン・クシュタール (Alimentation Couche-Tard) とは?
1980年に創業した彼らは会社として、カナダ最大、アメリカランクでもセブンイレブンに次ぐ 2 位で、Couche-Tard、Circle K、Ingo のブランドを運営するカナダ・ケベック州ラバルに本社を置く世界的なコンビニエンスストアチェーンです。言い換えれば北米最大です。名前が耳馴染みがない字面なんですが、フランス語由来(カナダの公用語)で意味は Alimentation =食品、Couche Tard =夜ふかし、という意味のようです。ビジネスの発端は、夜型の人向けになんかサービスを!という感じなんでしょうかね。
ビジョン:To become the world's preferred destination for convenience and mobility(利便性と機動性で世界から選ばれる目的地になること)
ミッション:To make our customers' lives a little easier
every day(お客様の毎日を少しでも快適にする)
これ、いつも思うんですが、米国企業のビジョンやミッションってシンプルかつわかりやすいですよね。消費者目線と言うんでしょうかWalmartのそれも同様でした。日本の企業理念がこれにあたるのかなと思いますが、社会的な視点でどこも横並びでわかりやすいようで、伝わりづらいように思うのは私だけでしょうか。
話がそれてしまいました。。
コンビニエンスストアに付随して、ガソリンスタンド、電気自動車の充電ソリューションなどのモビリティサービスを提供しています。 サークルKは日本にもありましたよね。いまはファミリーマートに吸収されてますが。
米国やカナダではコンビニエンスストアとガソリンスタンド事業は相乗効果があり、これは以前紹介した米国のコンビニエンスストアのケース(Wawa, Casays) と同じビジネスです。日本で徒歩や自転車、もしくは車で数分というところにまさにコンビニ感覚で使えるコンビニエンスストアとは異なり、米国やカナダのコンビニエンスストアは、ダウンタウン以外では徒歩や自転車で行ける距離にコンビニエンスストアがないケースがほとんどです。コンビニエンスストア目当てもありますが、どちらかというと外出中(移動中)に水やジュース、温かいコーヒー、ピザのような食事、たばこ、そしてガソリンを給油(最近はチャージ)するという大きな国土を持つ国ならではの生活様式に沿ったニーズに応えたビジネスモデルなのです。
そして同様のビジネスモデルを持つ、Wawa や Casays と異なるのは規模です。WawaやCasaysはローカルから派生し、米国でも指折りのチェーン店に発展してい言ったのに対し、アリマンタシォン・クシュタールはカナダにとどまらず、グローバルに展開しています。これは本記事の元になったニュースである、「セブン&アイホールディングスへの買収提案」がまさにストレートに彼らの事業展開力を表しています。彼らは自身のチェーンを展開していくというよりも買収によって大きなブランドを獲得しそれをグローバルで展開している、いわゆるコンビニ M&A 企業なのです。世界 29 か国以上で約 16,700 店舗を展開しています。そのうち約 13,100 店舗が交通用燃料を提供しています。
米国のコンビニエンスストアランキング
米国のコンビニエンスストアの状況を把握するために2024年米国のコンビニ事情をこちらに。ブランド個別での店舗数ではセブンイレブンが TOP なのですが、アリマンタシォン・クシュタールは保有するブランド(サークルK、アリーマンタシオン)を合わせると米国でも 1 位となります。また上位 3 ブランドで米国コンビニエンスストアトップ 10 の約 66 %を占めます。
ちなみに、日本のコンビニエンスストア店舗数ランキングも見てみましょう。
おもしろいですよね。国土では米国が日本の約 26 倍も大きいのに比べ、コンビニエンスストアの店舗数は米国が 34,479 店舗に対して、日本は 56,047 店舗!約 1.63 倍です。完全に生活様式というか使われ方が異なることがわかります。これは実は使われ方というより、何でしょう、定義にも拠ってしまうのかな。大都市ではコンビニエンスストアと同じような機能を提供していても、Glossary store(グロッサリー)や Night Owle(ナイトアウル)などの別カテゴリになってることも関係あるかも。日本でもコンビニエンスストアとスーパーとドラッグストアの役割が被ってきてますよね。
ただわかりやすく、コンビニエンスストアチェーンと言う意味では、米国と日本のコンビニエンスストアは使われ方が少し違うというのは言えると思います。
それにしても、日本のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの TOP 3 で約 91 %を占める状態は、米国の 66% に対してかなりの寡占状態ですね。
アリマンタシォン・クシュタールの事業の特色
話はもどって、アリマンタシォン・クシュタールの事業についてまとめます。
多角的な商品ライン
食品や飲料だけでなく、ガソリン販売や自動車関連サービス(例: カーウォッシュ、パンクなどの整備)も提供しています。また、ATMの管理、ギフトカードやロッタリー(宝くじ)の販売など、様々な付加価値サービスを通じて収益を上げています。
グローバルな展開
北米、ヨーロッパ、アジアで事業を展開し、現地の独立系オペレーターやフランチャイズを通じて製品を供給しています。こうしたグローバル展開により、アリマンタシォン・クシュタールはさまざまな市場でのプレゼンスを強めています。
最近の動き
近年、ヨーロッパで Total Energies のリテール資産を買収し、また米国で MAPCO Express から 112 の燃料およびコンビニエンスリテールサイトを取得するなど、積極的な M&A を通じて事業を拡大しています。
今回のセブン&アイホールディングスの買収提案もそのひとつですね。
テクノロジーの活用
2024年には、北米のオペレーション全体で RELEX Solutions の統合サプライチェーンおよび小売計画ソリューションを導入する契約を締結しており、これにより効率的な在庫管理と供給チェーンの最適化を目指しています。
今回のセブン&アイホールディングスへの買収提案について
まず、米国セブンイレブン (7-Eleven, Inc) はとっくの昔( 1991年に既に当時のイトーヨーカドーに買収されていて、2005 年にセブン&アイホールディングスの完全子会社になっていること、また、この記事の文脈から、アリマンタシォン・クシュタール社がメインのコンビニエンスストア事業の延長線上で、米国および、日本のセブンイレブン(7-Eleven,Inc/SEVEN-ELEVEN JAPAN CO.,LTD.)を買収するという提案なのかな?と思ってしまうかもしれませんが、実際はセブン&アイホールディングス社に対して買収提案をしていることを理解しておく必要があります。
7-Eleven の親会社である Seven & i Holdings Co.Ltd., の発行済み株式すべてを買収する「友好的」かつ拘束力のない提案を提出とあります。
ですので、買収の規模感が少なくとも5兆円(341億3000万ドル)に相当するという話になっています。(このニュースを受けて株価が上昇し、上昇後のセブン&アイの時価総額は5.6兆円(379億ドル)となったようですが)
あらためてセブン&アイホールディングスのグループ会社をみてみましたら、セブン銀行含め幅広く展開してますね。イトーヨーカドーやヨークベニマル、赤ちゃん本舗、ロフト、持ち株適用会社いれるとタワーレコードや、ぴあ、などあります。
アリマンタシォン・クシュタールのリテールメディアの取り組み
個人的に、世界的にガソリンスタンドを含むコンビニエンスストアチェーンを大々的に展開しているので、オンサイト、オフサイト、そしてインストアを含めたトータルアセットが豊富なので、アリマンタシォン・クシュタールがリテールメディアに着手し、独自のリテールメディアを展開していてもおかしくないと考えていましたが、結果現在、公開されているリテールメディアや、独自のリテールメディアネットワークをローンチしたような情報はありませんでした。
確かに、今まで(さほど長くないですが)米国中心にリテールメディアの情報を見ていた中で、アリマンタシォン・クシュタールの名前を見たことはなかったのでそういうことなのかなと思います。アセットは非常に魅力的ですし、規模も含めてかなり大きな RMN が作れそうなのですが、競合他社が既に着手している中、ちょっと不思議です。サークルKなどブランド個別の RMN もまだなさそう。
今回はここまでです。
〆まとめ
いかがでしたか? Poll も使ってねw
この買収提案のニュースを聞いたとき、どんなリテールメディア展開しているのか、もし買収が進んだらそのリテールメディアが日本のセブンイレブンでも展開されるかな?と勝手にワクワクしたのですが、肩透かしでした。コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、電気自動車のチャージャースタンドなど米国ではリテールメディアでは事例が複数でているので楽しみに情報探したんですけどね。
🖊編集後記
実は最近育児が忙しいです。イクメンです。
とはいっても、子猫(メス)のですけどねw 6月に神奈川の藤野で出会いました。まだ生後1ヶ月ぐらいだったので、最初手がかかりましたが3ヶ月も過ぎて、だいぶ落ち着いてきました。先住ちゃんとの相性はどうなんだろ、わからないなー。悪くは無いと思うけど、もっと仲良くなってほしいw
毎日見ていて思いますが、猫はたったの1年で人間で言う大人になるので、ホントにびっくりするぐらい成長が早いです、体重とかだけでなく。精や神的にも、リアクションや興味を示すものも日々変わっていって、届かなかったものやところにも一度届くようになると何事もなかったようにこなします。ホンット成長が早い。自分もこんなに目に見えるような成長ができたらなぁと年甲斐もなく思ったりw
癒やされます。
それではまた次回。
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